専門性の高さにも関わらず他の職種に比べると平均収入が低いことは、介護士あるあるの一つです。介護保険制度によって報酬額がある程度決まっていて、施設の利用料を引き上げることもできず、施設が得られる利益にも限界があるのが問題点に挙げられます。施設によっては、業務コストを下げるなどの工夫をして給料を上げる努力をしている施設もあります。収入面の悩みは介護士が転職するときにも多く見られる理由であり、少しでも待遇が良い職場を探して転職しています。ただ、実際に転職してみると職場を移っても大きな収入アップにならないことも稀ではありません。

転職後、基本給は上がったけど残業が少なくなって結局は同じだったというケースもあります。この場合には、仕事の負担が軽減されたという点では意味のある転職になったと考えられますが、年収をできるだけ上げたいという人にとっては目的がきちんと達成できなかったと言えるでしょう。このような転職をしてしまっている介護士は少なくありません。その後になってからよく気付いているのが、資格手当の大きさです。介護福祉士などの資格を取得すると、毎月資格手当が数千円くらい出る施設が多くなっています。転職してから介護福祉士になる方が効果的だったと気付き、新しい職場で資格のための勉強を始めているケースも目立ちます。転職活動中に求人を見て手当の存在に気付く人もしばしばいますが、金額をあまり気にしていなかったために大きな収入アップになると分かるのは転職後のことが多いのが実態です。